ApresNeige

FFXIVのことを書く予定。

ヒーラーにもちょっとしたスキル回しの工夫があるということ。【Patch 5.3版】

「ヒーラーなんてDoT入れて合間で殴るだけでしょ?」
90%正解で、10%間違いです。
正確に言えば、ヒーラーの本体火力のポテンシャルを100%引き出すためにはより深い理解が必要です。
(この記事は既にPerf99を取れるヒーラーを対象に向けて書いています)

 

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FFLogs - Eden's Verse

筆者のFFLogsのデータです。
この程度のスコアであればスキル回しについて深い考察は行わなくても取れると思いますが、5.2の火力詰めが終わって色々研究していた時に興味深い発見をしました。

 この記事を読んでいる方は「コンバガ→マレフィジャ×11(高SSであれば12)」、"回復が足りなければマレフィジャを回復魔法に置き換える"。
そこにプラスで、例えば

白魔道士→45秒直前のグレアをハート・オブ・ラプチャーに置き換えてアサイ
学者→ルインラを吐きながら連関計や他回復アビリティやエナジードレイン
占星術師→戦闘開始n秒前(nはコンテンツによって変動)にアーサリスターを設置、適宜ドローとプレイを行い、2分バフのタイミングでディヴィネーション

いったループがヒーラーのスキルローテーションの根本部分だと認識していると思います。
そのローテーションに一つ、アクセントを加えてみましょう。

 

・バフ中に魔法を多く乗せる(特に学者・占星術師)

学者なら連関計、占星術師ならディヴィネーション中に撃つ魔法を増やしましょう。
例えば占星術師のディヴィネーション中のマレフィジャの回数はおおよその場合は5回です。

※GCD2.40の場合、GCD10時にディヴィネーションを撃ったのであれば、

ディヴィネーション
↓ 0.40秒

マレフィジャ(1)

↓ 2.40秒

マレフィジャ(2)

↓ 2.40秒

マレフィジャ(3)

↓ 2.40秒

マレフィジャ(4)

↓ 2.40秒

マレフィジャ(5)

↓ 2.40秒

マレフィジャ(6)詠唱開始

↓ 1.44秒

マレフィジャ(6)詠唱終了

↓ 0.96秒

次のGCDが利用可     ……(※1)

↓ 0.20秒

ディヴィネーション終了

 

となります。

※1のGCDを、迅速マレフィジャ・コンバガに置換することで一発多くのマレフィジャ・もしくはそのコンバガにディヴィネーションが乗ります。
マレフィジャであれば、250 × 0.06 = 15なので威力15分上昇し、ラムウをいわゆる"槍前討伐"する場合であればディヴィネーションは4回撃つので総合で威力60分高くなります。(コンバガに関しては後述)
学者も自分の連関計中に総威力が高まるよう工夫すれば同じく強くなれます。
(とは言ってもルインラが増えたら意味がないのできちんと計算しましょう)

 

・討伐時間に合わせてDoTを入れる(全ヒーラー)

例えば7:06近辺(426秒)に討伐が期待出来、ボスが退場しないとします。
GCDは2.40とし、キャスター税の考慮を一旦抜きます。
この場合のDoTの更新タイミングは、

(1) DoT→主砲×11→DoT…… の場合、28.8秒 (DoTをギリギリで上書き)
(2) DoT→主砲×12→DoT…… の場合、31.2秒 (DoTを一瞬切らして掛け直し)
です。
また、DoTはサーバータイムで決められた3秒間隔のタイミングでダメージの判定が行われます。
順当に開幕後1GCDからDoTを上記のように入れていくと、

(1) の場合…
DoTを15回入れ、合計で18秒上書き、DoTは141-142Tickし、戦闘終了時に7.2秒が余る
(2) の場合…
DoTを14回入れ、合計で0秒上書き、DoTは137-138Tickし、戦闘終了時に10.8秒が余る

 

(1)よりも(2)の方がマレフィジャを一発多く撃てるので、威力を比較すると
(1) 141 × 60 = 8460
(2) 137 × 60 + 250 = 8470

で、僅差ですが通しでの戦闘時間で後者が威力10分強いです。
(正直誤差だしDoT tickのタイミング次第で逆転する)

この地点で2種類のスキル回しが存在するということはおわかり頂けると思います。
ボスの退場があるコンテンツでは結構大きなDoTのtickロスが発生するので、最適な方を選んでいきましょう。しかし、重要なのは次です。

 

ここで思い出してください。どちらの場合もDoTが余っています
(1) のスキル回しのDoTに着目してみると、

1回目(9-10Tick)(0:00.0に着弾)
2回目(9-10Tick)(0:28.8に着弾)
 ・
 ・
 ・
14回目(9-10Tick)(6:14.4に着弾)
15回目(7-8Tick)(6:43.2に着弾)     ……(※2)

という回しになります。
ここで「バフ中に魔法を多く乗せる」で挙げた、バフ中にDoTで〆る回しについて考えてみましょう。

 

【具体的なスキル回し】

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Skill Rotate - E5S(Ast)

(上画像はバフ込での魔法の総威力を計算するためのスプレッドシートです)

強化薬・ディヴィネーション以外のアビリティ類諸々を除外すると、

(強化薬)
マレフィジャ
コンバガ(7Tick)
マレフィジャ
マレフィジャ
マレフィジャ(ディヴィネーション)
マレフィジャ
マレフィジャ
マレフィジャ
マレフィジャ
マレフィジャ
コンバガ(10Tick)


という回し、つまり「最後にどうせDoTが余るなら先に更新してしまおう」と言う回しになります。

察しの良い方はお気づきになられたかもしれませんが、このスキル回しであれば開幕以降もすべてのディヴィネーションに自分のコンバガが乗ります。

ディヴィネーションの〆に迅速マレフィジャを撃つ場合と比較してみましょう。
ディヴィネーション中、マレフィジャ6発の素の威力は1500なので、
1500×0.06=90で、威力90分が一回のディヴィネーションバフで強くなります。
ディヴィネーション中、マレフィジャ5発+コンバガ(完走)の素の威力は1850なので、
1850×0.06=111で、威力111分が一回のディヴィネーションバフで強くなります。

戦闘中に4回ディヴィネーションを使えるので、
(111 - 90) × 4 = 84 なので、威力84分、この回しは強いです。

また、戦闘時間通しで考えると、※2に比べて薬の効果時間中に、
マレフィジャ一発(威力250)が減る代わりに、7Tick走るコンバガが一発(威力420)増えます。薬のバフを1.05倍とすると、
(420 - 250) × 0.05 = 8.5 なので、威力8.5分強いことがわかります。

何の変哲もない通常回しよりも60 +84 + 8.5 = 152.5威力分得ですね。
更に、迅速魔が浮く為、薬の効果時間〆に迅速マレフィジャをすれば……。

ここまでrDPSを上げる為の考え方ですが、もちろん味方のだまし討ち、テクニカルステップなどと言った諸バフ・デバフ類にも乗る為aDPSも上がります。
aDPSも上がるということは、安定して"槍前討伐"が出来るし、何より戦闘時間が短くなればそれだけ「"戦闘時間"中に"バフの乗ってる時間"の割合」が大きくなる為、更にrDPSも向上します。

良いことづくめじゃないですか?

 

と、ここまで長々と書きましたが、"コンテンツ"や"討伐時間"、"SS・GCD"との相性問題もありますし、一概に「すべてのシナジーの〆にDoTを入れろ!」と言う主張ではありません。DoTの撃つタイミングが全て変わるため、通常回しとは動けるタイミングも変わりますしね。

逆に言えば、"学者であればこの回しの方がルインラの回数も減る"という事もあるし、実際に計算してみなければわかりません。

あくまで当記事は考え方の一例を示すもので、実際のスキル回しに関しては個々人でコンテンツ毎計算する必要があります。大事なのは自分で吟味し、計算し、研鑽することです。

当記事を読んでヒーラーの方に何か実りがあれば幸いです。